Photo credit : Ming Pao Weekly
今回ブリュワーズカップに参加するにあたり、僕達がフォーカスしたのは、コーヒーのおよそ99%を占める"水"でした。
ここでは僕達が大会で使用したもの、その方法を簡単に説明していきます。もし水について興味が沸いたなら、Matt Perger 主宰の "Barista Hustle" や UKBCチャンプの Maxwell Colonna-Dashwood & Christopher Hendon 共著の "WATER FOR COFFEE"を一読される事をおすすめします。
また今大会、コーチをして頂いた粕谷哲氏には、水について様々なアドバイスを頂きました。この場を借りて感謝の意を表したいと思います。
カスタムウォーター作製の手順は以下の通りです。
カスタムウォーターの作り方
まず、これらのミネラルを蒸留水に溶かし、各"ソリューション"を作製していきます。方法は以下の通りです。
Mgソリューション
エプソムソルト/10.14g
蒸留水/1,000g
(これらを混ぜた後、マグネシウムを溶かす為に一度加熱させる。)
Caソリューション
塩化カルシウム/3.69g
蒸留水/1,000g
(これもマグネシウムと同様、加熱させる。)
バイカーボネイト
バイカーボネイト/1.38g
蒸留水/1,000g
(バイカーボネイトは"加熱させず"そのまま水に溶かし、よく混ぜる。)
これらがカスタムウォーターを作る上で重要なソリューションになります。これらソリューションを蒸留水に混ぜていく事で、カスタムウォーターを作っていきます。
なぜカスタムウォーターに蒸留水を使うのかというと、蒸留水中には、不純物やミネラルが存在しないので、自分で好きな量のミネラルやPhをコントロールすることが出来る為です。
これらのソリューションは1g使用した時に1mgのマグネシウムやカルシウムが水に存在するように設計されています(1g=1mg/l)
もし、僕達の使ったミネラル以外のものを使用する場合は、質量計算で求める事が可能です。
また、PhチェッカーやPPMチェッカーを使って、水の状態を確認する事も重要になります。なぜならこれらの要素もコーヒーの味に大きな影響をを与えるためです。
僕達は何度も検証を重ね、Phを中性の7.0に近づけた水を競技で使用しましたが、豆の状態やロースティングによって数値を変動させてもいいと思っています。
最後に僕達が色々な豆で使った基準水レシピと、大会で使ったレシピを紹介します。このレシピが皆さんのオリジナルウォーターの参考になれば幸いです。
基準水
Mg 25
Ca 5
B 10
蒸留水 960g
決勝用
Mg 24
Ca 5
B 8
蒸留水 963g
注:ソリューションと蒸留水の総和が1000gになるように水をカスタムして下さい。(例: Mg 30g+Ca 20g+B 10g+蒸留水 940g=計1,000g)